小札について
ABOUT KOZANE

小札(こざね)とは、鎧甲冑(よろいかっちゅう)の胴(からだ全体を覆う部分)や、(首から上全体を保護する部分)を構成する最も主要となる材料です。

小札(こざね)の形や大きさですが、鎧甲冑の年式や種類により異なります。材質は鉄または革が使われます。基本的には、大きくても縦8cm程度・横4cm程度・厚さ3mm程度の板です。

写真1
写真2

そんなに薄っぺらくて小さなもので身を守れるの?」とお思いでしょうが、見た目からは想像できない程、驚くほど固く、素材は事前に加工されています。

この小札を横一列に半分づつ重ねながら並べ、くっつけた状態にし、漆を何層にも塗り重ねて仕上げれば、小札板(こざねいた)というとても堅牢な横長の板状になリ、刀や弓矢程度なら十分に防御できる程度のクオリティに仕上がります。

写真3

典型的な小札(こざね)においては、1枚あたり大小合わせて13個の穴が空いています。小さな穴は小札板を形成するために小札同士を綴っていく革紐を押す穴です。大きな穴は彩り豊かな組紐を通す穴です。この組紐がアクセントとなり、鎧甲冑が素晴らしく雅な仕上がりに組み上がるのです。

写真4

平安時代形式の大鎧でしたら少なくとも2千枚程の小札を使用します。小札に空ける穴は一枚あたり13個ですので、2千枚で2万6千個の穴を空けなくてはなりません。また穴を空けた後に小札を一枚づつヤスリがけをして綺麗にして漆を何層にも塗る、というとても手がかかる工程を踏まなければなりません。

小札(こざね)づくりというのは鎧1領(鎧の単位は領「りょう」といいます)作るための様々な工程の中で最も多くの時間を要する作業なのです。そして世間から注目されることが、ほとんどなくて目立たない存在ですが、小札(こざね)というのは鎧を構成する最も主要な構成要素であります。言うなれば、「縁の下の力持ち」というべきか、いや、「能ある鷹は爪を隠す」と言うべきか、文才のない私には例えがよくわかりませんが、甲冑製作をする過程で自然と僕はこの小札(こざね)を愛してしまったわけです。

さて、我が屋号の「小札屋(こざねや)」の名称はもうお分かりの通り、この小札(こざね)に由来します。屋号を考えようと思った瞬間に我が感性から湧き出てきたのが「小札屋」です。